妙心寺
京都市右京区花園妙心寺町にある「妙心寺」は、臨済宗妙心寺派の大本山で、花園天皇が創立した寺院です。広大な境内には三門、仏殿、法堂などの中心伽藍があり、その周囲には多くの塔頭が建ち並び、一大寺院群を形成しています。
JR花園駅から南門に入ると、伽藍は壮大で格式高く、境内は静寂な空気に包まれています。法堂・大方丈・大庫裏の中を見学することができ、法堂の天井に描かれている狩野探幽法眼守信作「雲龍の図」は圧巻です。(写真撮影不可)
大方丈には本尊「阿弥陀仏三尊」が祀られており、大庫裏は僧侶の食生活を支える厨房があり、巨大な窯などが配置されています。
妙心寺の伽藍を過ぎ、北門へ向かう道の両側には多くの塔頭寺院が立ち並んでいます。そのなかに「春光院」があります。
春光院
「春光院」は、桃山期の1590年に、初代松江藩主・堀尾吉晴公の長男金助の菩提を弔うために創建され、創建当時は「俊巖院」と称していました。
堀尾家は三代目の忠晴に跡継ぎがなく断絶したため、忠晴の息女が嫁いでいた伊勢亀山藩の石川家がこの寺を引き継ぎ「春光院」と改められました。
方丈西庭「常盤の庭」は、堀尾吉晴の作庭と言われています。
また、「さざれ石の庭」と呼ばれる庭園は、伊勢神宮を崇拝していた石川氏が伊勢神宮の風景を表現した枯山水庭園で、別名「伊勢の庭」とも呼ばれています。
このほか、本堂襖絵に描かれた金箔画は狩野永岳の筆によるもので、芸術性の高さが想像できます。
さらに、四条の「南蛮寺」から移されたと推定されている銅鐘は、初期キリスト教を今に伝える貴重な遺産として重要文化財に指定されています。
残念ながら、内部は非公開となっており、これらを拝観することはかないません。
外国人向けの座禅体験や文化体験は行っているようで、外国語での案内が掲示されています。
春光院は禅が世界の禅になることに非常に貢献した場所であると資料に記載されています。
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