「松江城山稲荷神社式年神幸祭」(まつえじょうざんいなりじんじゃしきねんしんこうさい)は、その掛け声から、通称「ホーランエンヤ」の名で親しまれています。松江城内に祀られた稲荷神社のご神霊を、約10km離れた東出雲町の「阿太加夜神社(あだかやじんじゃ)に船でお運びする「渡御祭(とぎょさい)」、7日間にわたって五穀豊穣や市民の幸福を祈願する中日に行われる「中日祭(ちゅうにちさい)」、そして再び稲荷神社にお帰りになる「環御祭(かんぎょさい)」があります。今回のツアーは、はじめの「渡御祭」を観覧しました。 晴天に恵まれたこの日、大阪からの観覧ツアー参加者に現地の家族・友人が加わり、総勢89名が新大橋とくにびき大橋の間、大橋川北岸に用意された専用観覧席に参集しました。 船の到来を今や遅しと待ち構えるなか、まずは「清目船」が川面を通過、やがて華麗な「櫂伝馬船(かいでんません)」が姿を現します。同時に“ホーランエンヤ”の掛け声がしだいに大きく近づき、「大海崎」と書かれた船の姿がはっきりと見えてきます。船首では、「劔櫂(けんがい)」と呼ばれる歌舞伎役者のごとき衣装を身にまとった若者が勇壮に剣を操り、中央は数名の漕ぎ手が一糸乱れぬ動きで櫂を漕ぎます。その真ん中で唄い手が“ホーランエンヤ”と高らかに唄い上げ、漕ぎ手が“ホーランエンヤ”と力強く声を合わせます。さらに船尾では、「采振り(さいふり)」と呼ばれる歌舞伎の女形の装束に身を包んだ若者が、しなやかに美しく舞っています。その勇壮さと華麗さに目を奪われて、大海崎の船を見送ると、次は「福富」の船が近づいてきます。そのあと「大井」「矢田」と続きます。劔櫂・漕ぎ手・唄い手・采振りは同じでありながらも、衣装や動き、唄声が少しずつ違い、それぞれの特徴が感じられます。やがて、「い一まかた」の船がやってきます。その昔、神幸祭の途中暴風雨で神興船が危うくなった時、馬潟村の漁師がそれを助けたことから、「いの一番まかた」が櫂伝馬船の最後を飾っています。 五艘の櫂伝馬船は三回旋回してみごとな演技を披露し、観覧席からは大きな歓声と拍手が送られました。 |
船団に先駆ける「清目船」 |
|||
ご神霊を乗せた「神輿船」 |
||||
神輿船の曳き船「櫂伝馬船」 |
||||
(写真撮影:木村恵吉) | (写真をクリックすると拡大します) |
|||
大海崎 |
ふくとみ |
|||
大井 |
矢田 |
|||
まかた |
||||
動画もご覧いただけます。(撮影:押田良樹) | ||||
ふるさと訪問ツアー トップ | 阿太加夜神社・城山稲荷神社参拝 | 第14回総会・懇親会 | |||
│創立10周年記念大会(平成27年/2015年)│第11回(平成28年/2016年)│第12回(平成29年/2017年)│ │第13回(平成30年/2018年)│第14回・ホーランエンヤ観覧ツアー(令和元年/2019年)│ │第15回記念大会(令和5年/2023年)│第16回(令和6年/2024年)│ |